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大阪高等裁判所 昭和54年(ネ)1668号 判決

控訴人

西村太一

外八名

右控訴人九名訴訟代理人

梅本敬一

奥中克治

右控訴人九名訴訟復代理人

岡本太郎

被控訴人

三﨑金造

被控訴人

株式会社東洋模範社

右代表者

三﨑金造

右被控訴人両名訴訟代理人

西田温彦

主文

控訴人らの各控訴を棄却する。

被控訴人三﨑は、控訴人西村太一、同西村ムメ、同西村芳子、同西村清佑、同西村尚武、同西村得之亮、同西村陽に対し三〇万四九二〇円及びその内金五万四〇円については昭和四九年一月一日から、内金一二万二四〇〇円については昭和五二年一月一日から、内金一三万二四八〇円については昭和五五年一月一日から、各完済まで年五分の割合による金員、並びに昭和五五年一月一日から同控訴人らに対し原判決添付物件目録(一)及び(二)記載の土地の明渡を済すまで一か月四六五〇円の割合による金員、控訴人常国に対し二二万一六四〇円及びその内金三万九七六〇円については昭和四九年一月一日から、内金七万五六〇〇円については昭和五二年一月一日から、内金八万六四〇〇円については昭和五五年一月一日から、各完済まで年五分の割合による金員、並びに昭和五五年一月一日から控訴人常国に対し右目録(三)及び(四)記載の土地の明渡を済すまで一か月二九九〇円の割合による金員、控訴人大引に対し一一万五六八〇円及びその内金二万七二〇円については昭和四九年一月一日から、内金三万九六〇〇円については昭和五二年一月一日から、内金四万五〇〇〇円については昭和五五年一月一日から、各完済まで年五分の割合による金員、並びに昭和五五年一月一日から控訴人大引に対し右目録(五)記載の土地の明渡を済すまで一か月一五六〇円の割合による金員の各支払をせよ。

当審における控訴人らの被控訴人三﨑に対するその余の請求及び被控訴人株式会社東洋模範社に対する請求を棄却する。

当審における訴訟費用中、控訴人らと被控訴人株式会社東洋模範社との間に生じた分は控訴人らの負担とし、控訴人らと被控訴人三﨑との間に生じた分はこれを三分し、その一を被控訴人三﨑、その余を控訴人らの各負担とする。

この判決は控訴人ら勝訴の部分に限り仮に執行できる。

事実

控訴人らは、当審において請求を拡張し、「原判決を取消す。被控訴人三﨑は、控訴人太一、同ムメ、同芳子、同清佑、同尚武、同得之亮、同陽(以下、右控訴人七名を控訴人西村らという)に対し原判決添付物件目録(六)記載の建物(以下、本件建物という)のうち同目録(一)記載の土地(以下、(A)土地という)及び同目録(二)記載の土地(以下、(B)土地という)上にある部分を収去して右各土地を明渡し、控訴人常国に対し本件建物のうち右目録(三)記載の土地(以下、(C)土地という)上にある部分、同目録(七)記載の擁壁(以下、本件擁壁という)のうち(C)土地及び同目録(四)記載の土地(以下、(D)土地という)上にある部分、並びに同目録(八)記載の階段(以下、本件階段という)のうち(D)土地上にある部分を各収去して右各土地を明渡し、控訴人大引に対し本件擁壁及び本件階段のうち右目録(五)記載の土地(以下、(E)土地という)上にある部分を収去して右土地を明渡せ。被控訴人株式会社東洋模範社は控訴人西村ら及び控訴人常国に対し本件建物のうち(A)ないし(C)土地上にある部分から退去して右各土地を明渡せ。被控訴人らは各自、控訴人西村らに対し七万七八四六円及びこれに対する昭和四九年一月一日から、一八万八二〇七円及びこれに対する昭和五二年一月一日から、二〇万四三五三円及びこれに対する昭和五五年一月一日から、各完済まで年五分の割合による金員、並びに昭和五五年一月一日から被控訴人らが控訴人西村らに対し(A)及び(B)土地の明渡を済すまで一か年につき八万円の割合による金員の各支払をなし、控訴人常国に対し八万四二七七円及びこれに対する昭和四九年一月一日から、一〇万四五七円及びこれに対する昭和五二年一月一日から、一〇万二一八〇円及びこれに対する昭和五五年一月一日から、各完済まで年五分の割合による金員、並びに昭和五五年一月一日から被控訴人らが控訴人常国に対し(C)及び(D)土地の明渡を済すまで一か年につき三万九八〇〇円の割合による金員の各支払をなし、控訴人大引に対し四万一七七円及びこれに対する昭和四九年一月一日から、四万七六五七円及びこれに対する昭和五二年一月一日から、四万八五一四円及びこれに対する昭和五五年一月一日から、各完済まで年五分の割合による金員、並びに昭和五五年一月一日から被控訴人三﨑が控訴人大引に対し(E)土地の明渡を済すまで一か年につき一万八九〇〇円の割合による金員の各支払をせよ。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする」との判決並びに仮執行の宣言を求め、被控訴人らは、「本件控訴及び当審における控訴人らの新請求を棄却する。控訴費用は控訴人らの負担とする」との判決を求めた。

当事者双方の主張及び証拠の提出・援用・認否は、左記の附加・訂正をするほか、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

(原判決の訂正)〈省略〉

(控訴人らの主張)

(1)  被控訴人三﨑は控訴人らに対し何ら対抗し得る権原がないにも拘らず、予てから控訴人西村ら所有に係る(A)土地と(B)土地、控訴人常国所有に係る(C)土地と(D)土地、控訴人大引所有に係る(E)土地の上に本件建物・本件擁壁及び本件階段を所有して、右各土地を占有し来つているところ、その賃料相当額は、(A)土地と(B)土地とを合し、昭和四七年七月一日から同年一二月三一日までの分が二万二二〇六円、昭和四八年一月一日から同年一二月三一日までの分が五万五六四〇円、以上合計七万七八四六円、昭和四九年一月一日から昭和五一年一二月三一日までの分が一八万八二〇七円、昭和五二年一月一日から昭和五四年一二月三一日までの分が二〇万四三五三円、昭和五五年一月一日以降の分が一か年八万円、(C)土地と(D)土地とを合し、昭和四五年七月一日から同年一二月三一日までの分が九五四九円、昭和四六年一月一日から昭和四八年一二月三一日までの分が七万四七二八円、以上合計八万四二七七円、昭和四九年一月一日から昭和五一年一二月三一日までの分が一〇万四五七円、昭和五二年一月一日から昭和五四年一二月三一日までの分が一〇万二一八〇円、昭和五五年一月一日以降の分が一か年三万九八〇〇円、(E)土地が昭和四五年七月一日から同年一二月三一日までの分が四五七六円、昭和四六年一月一日から昭和四八年一二月三一日までの分が三万五六〇一円、以上合計四万一七七円、昭和四九年一月一日から昭和五一年一二月三一日までの分が四万七六五七円、昭和五二年一月一日から昭和五四年一二月三一日までの分が四万八五一四円、昭和五五年一月一日以降の分が一か年一万八九〇〇円である。被控訴人会社は予てから本件建物を占有し、控訴人らに対抗し得る何らの権原もなく、右各土地を占有している。被控訴人らは右各土地の占有により、法律上の原因なくして右賃料相当額の利益を受け、控訴人らに同額の損失を及ぼし来つているところ、右利益はすべて現存しており、被控訴人らは右各土地の占有が控訴人らに対抗し得る権原なくしてなされ来つたことを占有当初から知つていた悪意の受益者である。よつて、右不当利得の返還を受けるため、被控訴人らに対し、控訴人西村らは七万七八四六円及びこれに対する昭和四九年一月一日から、一八万八二〇七円及びこれに対する昭和五二年一月一日から、二〇万四三五三円及びこれに対する昭和五五年一月一日から、各完済まで民法所定の年五分の割合による法定利息、並びに昭和五五年一月一日から被控訴人らが控訴人西村らに対し(A)及び(B)土地の明渡を済すまで一か年八万円の割合による金員、控訴人常国は八万四二七七円及びこれに対する昭和四九年一月一日から、一〇万四五七円及びこれに対する昭和五二年一月一日から、一〇万二一八〇円及びこれに対する昭和五五年一月一日から、各完済まで右同旨の年五分の割合による法定利息、並びに昭和五五年一月一日から被控訴人らが控訴人常国に対し(C)及び(D)土地の明渡を済すまで一か年三万九八〇〇円の割合による金員、控訴人大引は四万一七七円及びこれに対する昭和四九年一月一日から、四万七六五七円及びこれに対する昭和五二年一月一日から、四万八五一四円及びこれに対する昭和五五年一月一日から、各完済まで右同旨の年五分の割合による法定利息、並びに昭和五五年一月一日から被控訴人三﨑が控訴人大引に対し(E)土地の明渡を済すまで一か年一万八九〇〇円の割合による金員の各自支払を求める。

(2)  控訴人らが被控訴人三﨑に対し本件不当利得返還請求権を放棄したことはない。不当利得返還請求権の消滅時効期間は民法一六七条一項所定の一〇年であるから、本件不当利得返還請求権については未だ消滅時効が完成していない。

(3)  本件土地上には第三者所有に係る物件は存在しない。被控訴人ら主張の擁壁が仮に第三者によつて設置されたものであるとしても、控訴人らの本件土地所有権の取得に伴い、民法二四二条所定の附合により、右擁壁は控訴人らの所有に帰した。

(4)  被控訴人三﨑が本件建物の敷地の一部として使用している下水道敷は、もともと同被控訴人がその東側半分のみを通路として使用する目的で大阪市から占用許可を得たものであり、同被控訴人は法定の建築許可を受けることなく、右下水道敷全部と本件土地とを敷地の一部として鉄筋コンクリート造三階建の本件建物を建築した。被控訴人三﨑は下水道敷上の建物部分につき他日大阪市から収去を命ぜられるべきことを予期しつつ建築したのであるから、本件土地上の建物部分も収去を予期して建築した。本件土地上の建物部分のみの収去が事実上困難であるとしても、他日大阪市から右下水道敷上の建物部分の収去を命ぜられたときは、本件土地上の建物部分の収去も容易になし得られる。現在では右下水道敷の占用許可が被控訴人らに与えられておらず、大阪市からその現状回復を求められている状態であるから、右の事態が到来している。本件土地の面積が小さいとしても、それが空地となることによつて控訴人らが受ける通風・日照・採光等の点に関する改善、住環境の浄化等の便宜は多大であり、消防活動上の障害も除去されるから、本件土地の明渡を受けることが控訴人らにとつて実益がないとはいえない。また、被控訴人らが本件土地の占有開始当時においては悪意でなかつたとしても、控訴人らは昭和四五年四月頃被控訴人三﨑を相手方として大阪簡易裁判所に対し、本件土地明渡請求に関する調停の申立をしたから、少なくともその時以降は被控訴人らにおいて悪意になつた。控訴人西村らは(A)及び(B)土地を第一審原告霧林秀太郎から買受けて本件訴訟に参加し、霧林は本件訴訟から脱退したが、右売買により、被控訴人らは何ら不利益を受けるものではない。被控訴人らの権利濫用に関する主張は失当である。

(5)  第一審原告大引宗子は昭和五四年四月一四日に死亡し、控訴人大引が相続した。

(被控訴人らの主張)

(1)  控訴人ら主張の右(1)の事実は、その内、被控訴人三﨑が本件建物を所有し、被控訴人会社が本件建物の一部を占有していることは認めるが、その余は争う。

(2)  仮に本件建物の一部が控訴人ら所有土地上に在るとしても、昭和三七年ないし昭和三八年頃控訴人らの先代や前主、又は控訴人らの代理人たる控訴人らの妻は被控訴人三﨑に対し、同被控訴人の本件土地占有に基づく不当利得についての返還請求権を放棄した。

(3)  仮に被控訴人らが不当利得返還義務を負うとしても、控訴人ら主張の本件不当利得は、賃料相当の利得であつて、定期給付債権であるから、その消滅時効期間は民法一六九条により五年である。控訴人らが本件不当利得の返還請求をしたのは昭和五五年五月二七日であるから、昭和五〇年五月二七日以前の利得については、既に消滅時効が完成している。

(4)  被控訴人らは少なくとも本件第一審判決の送達を受けるまでは善意の受益者であつたのであり、かつ、その利益は現存しない。従つて、右判決の送達を受けた昭和五四年一〇月二日以前の利得については、被控訴人らにおいて返還の義務はない。

(5)  原判決添付図面表示の「基礎石」部分は、本件建物の一部ではなく、大阪市が設置し所有しているものである。右部分の面積は0.585平方メートルであるから、被控訴人らが侵害している(A)土地の面積は1.375平方メートルとされなければならない。

(6)  以上の各主張が失当であるとしても、本件土地の面積は極めて小さいのであり、もともと本件建物は本件土地上に直接建つているわけでもない。本件建物は第三者が設置し所有する赤煉瓦積み擁壁上に建てられており、右擁壁の収去は控訴人らにとつて容易ではない。右の事情その他本件における諸事情からすると、控訴人らの本訴請求は権利の濫用である。殊に控訴人西村らは、本件土地をめぐる紛争の一切の事情を知りつつ、あえて(A)及び(B)土地を買受け、本件紛争に介入し来つたのであるから、少なくとも同控訴人らの本訴請求は権利の濫用である。

(証拠関係)〈省略〉

理由

(一)  当裁判所も控訴人らの被控訴人三﨑に対する本件各収去明渡請求及び被控訴人会社に対する各退去明渡請求はいずれも理由がないと判断する。〈中略〉

(二)  控訴人らの被控訴人らに対する不当利得返還請求。

前記認定によれば、被控訴人三﨑(以下単に三﨑ともいう)は昭和三八年中から本件建物・本件擁壁・本件階段を所有することにより、本件土地を権原なく占有してきたものであるが、控訴人らの三﨑に対する右各物件収去敷地明渡の請求が権利の濫用になるため認容されないのであるから、三﨑は本件土地所有者に対し本件土地の占有による不当利得返還義務を負担する。

判旨法律上の原因なくして他人の土地を占有する不当利得者は、善意の受益者である場合(利得が終局的に自己に帰属したと信じていた場合)でも、右土地の相当賃料額の利益を返還すべき義務がある。その理由。右の場合、利得が自己に帰属したと信じたことに基因する利得の減少はなく、右土地の相当賃料額の利益は現存すると解するのが相当であるからである。三﨑の当審主張(4)は採用しえない。

X所有の土地に越境して建物を建築所有し、右越境土地部分を占有するYに対し、Xが提起した建物収去土地明渡請求訴訟の判決において、Yの右土地占有は法律上の原因のない占有である、と判断する場合、右判決において、権利の濫用の理由により建物収去土地明渡請求を棄却するときでも、右訴訟係属のときから、Yを右土地の悪意の占有者とみなし(民法一八九条二項参照)、民法七〇四条によりYはXに対し右土地の相当賃料額の利益に利息を付して返還する義務があると解するのが相当である。

三﨑が本件第一審訴訟係属の昭和四六年八月三一日以前に悪意の受益者である事実を認めうる証拠はない。〈中略〉

当審鑑定人都築武保の鑑定の結果によれば、同鑑定人はその学識・経験に基づき、本件土地の賃料を昭和四五年七月一日以降(C)及び(D)土地につき一か月一四二〇円、(E)土地につき一か月七四〇円、昭和四七年七月一日以降(A)及び(B)土地につき一か月二七八〇円、昭和四九年一月一日以降(A)及び(B)土地につき一か月三四〇〇円、(C)及び(D)の土地につき一か月二一〇〇円、(E)土地につき一か月一一〇〇円、昭和五二年一月一日以降(A)及び(B)土地につき一か月三六八〇円、(C)及び(D)土地につき一か月二四〇〇円、(E)土地につき一か月一二五〇円、昭和五五年一月一日以降(A)及び(B)土地につき一か月四六五〇円、(C)及び(D)土地につき一か月二九九〇円、(E)土地につき一か月一五六〇円とする旨の鑑定をしたことが認められ、その鑑定の過程及び結果に特に不当視すべき点はないと考えられるから、右各日以降の被控訴人三﨑の本件土地占有による利得額は右各金額と認定する。

そうすると、被控訴人三﨑は、控訴人西村らに対し昭和四七年七月一日から昭和四八年一二月三一日まで一か月二七八〇円の割合による金員五万四〇円、昭和四九年一月一日から昭和五一年一二月三一日まで一か月三四〇〇円の割合による金員一二万二四〇〇円、昭和五二年一月一日から昭和五四年一二月三一日まで一か月三六八〇円の割合による金員一三万二四八〇円、以上合計三〇万四九二〇円及びその内金五万四〇円については昭和四九年一月一日から、内金一二万二四〇〇円については昭和五二年一月一日から、内金一三万二四八〇円については昭和五五年一月一日から、各完済まで民法所定の年五分の割合による法定利息、並びに昭和五五年一月一日以降控訴人西村らに対し(A)及び(B)土地の明渡を済すまで一か月四六五〇円の割合による金員、控訴人常国に対し昭和四五年七月一日から昭和四六年八月三一日まで一か月一四二〇円の割合による金員五万九六四〇円、同年九月一日から昭和四八年一二月三一日まで一か月一四二〇円の割合による金員三万九七六〇円、昭和四九年一月一日から昭和五一年一二月三一日まで一か月二一〇〇円の割合による金員七万五六〇〇円、昭和五二年一月一日から昭和五四年一二月三一日まで一か月二四〇〇円の割合による金員八万六四〇〇円、以上合計二二万一六四〇円及びその内金三万九七六〇円については昭和四九年一月一日から、内金七万五六〇〇円については昭和五二年一月一日から、内金八万六四〇〇円については昭和五五年一月一日から、各完済まで右同旨の年五分の割合による法定利息、並びに昭和五五年一月一日から控訴人常国に対し(C)及び(D)土地の明渡を済すまで一か月二九九〇円の割合による金員、控訴人大引に対し昭和四五年七月一日から昭和四六年八月三一日まで一か月七四〇円の割合による金員一万三六〇円、同年九月一日から昭和四八年一二月三一日まで一か月七四〇円の割合による金員二万七二〇円、昭和四九年一月一日から昭和五一年一二月三一日まで一か月一一〇〇円の割合による金員三万九六〇〇円、昭和五二年一月一日から昭和五四年一二月三一日まで一か月一二五〇円の割合による金員四万五〇〇〇円、以上合計一一万五六八〇円及びその内金二万七二〇円については昭和四九年一月一日から、内金三万九六〇〇円については昭和五二年一月一日から、内金四万五〇〇〇円については昭和五五年一月一日から、各完済まで右同旨の年五分の割合による法定利息、並びに昭和五五年一月一日から控訴人大引に対し(E)土地の明渡を済すまで一か月一五六〇円の割合による金員の各支払をすべき義務がある。

(三)  よつて、控訴人らの本訴請求は、被控訴人三﨑に対し右金員の支払を求める限度において理由があるが、その余は失当であるから、控訴人らの各控訴を棄却し、当審における控訴人らの新請求中、被控訴人三﨑に対する右金員支払請求部分のみを認容して、その余を棄却し、控訴費用の負担につき民訴法九五条本文、八九条、九二条本文、九三条一項本文、仮執行の宣言につき同法一九六条一項を各適用して、主文のとおり判決する。

(小西勝 坂上弘 大須賀欣一)

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